2015.7.25 no.211  Banjo&Accordion のレポート

tama

2015年07月28日 13:05

被災者のために私達が出来ることを続けましょう!
被災地の人たちを忘れてはいけないよ」「節電しようね」と家族に言うのでもいいんです!



「Hush Music」…
出演:Banjo & Accordion
Banjo : 稲川友則   Accordion : Takako


 【サロコンファンの皆様へ 出演者からお便りです】
バンジョーとアコーディオンの組み合わせは世界的にも珍しいそうです。
繊細なバンジョーの旋律と、どこか懐かしい響きのアコーディオンの音色を
みなさまにお届けできたらと思っています。

Banjo&AccordionのHP⇒http://accobanjo.jimdo.com/profile-1/

お二人のプロフィール
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稲川友則
浜松在住、豊橋、浜松、名古屋などライブやイベントなどで演奏活動中。
遠州ブルーグラスバンド(浜松)、 グラスビート(豊橋) のバンジョープレーヤーとして、
また、ブルーグラスに限らずさまざまなジャンルのプレーヤーとも共演。
昨年から、柴田貴子のアコーディオンとのデュオでも活動。
浜松、豊橋にてバンジョー教室も開講中。
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柴田貴子
豊橋在住 愛知、浜松、岐阜などでライブ、イベント、などアコーディオンの演奏活動をしている。
豊橋にてMusa Musicアコーディオン教室代表。アコーディオン・ピアノ・エレクトーン講師。
ヤマハミュージック東海浜松かじまちセンターにてアコーディオン講師。

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稲川さんはじつは以前から存じ上げておりました。
最初はこの時⇒http://salocontama.hamazo.tv/e3824390.html
そして今年の2月に稲川さんとtakakoさんがメンバーとしてお出でになったのが⇒http://salocontama.hamazo.tv/e5936473.html
そのとき稲川さんにBanjo&AccordionのCDをいただき、聴いてビックリ。
こりゃ、なんとしても出てもらいたい、と。
その結果が今回のサロコンです。



1st.set
1. Style Musette

  お二人が入場し、いきなりアコーディオンが鳴り出したのがこの曲。
  ミュゼットという19世紀後半から第二次大戦前頃までフランスで流行ったポピュラー音楽ですが
  特に20世紀初頭パリのダンス酒場で演奏される音楽として大流行したそうです。
  シャンソンとミュゼットは歌があるかないか程度の違いで、どちらもいかにも「パリ!」という感じ。
  参考音源⇒https://www.youtube.com/watch?v=wo9OzmnWeNk
2. ノルウェーの森
  ご存じBeatlesのアレ。
3. 小さなレストラン
  これもおフランスなミュゼットの曲です。バンジョーをマンドリン風に聴かせてくれました。
4. When You're Smiling
  初期のデキシーランド風な曲とでも申しましょうか。若干黒い陽気さが。
5. Down By The Sally Garden
  アイリッシュの曲です。参考音源⇒https://www.youtube.com/watch?v=j_VtaD9Wchk
6. Banjo Solo 
  稲川さんによるバンジョーのお話と演奏です。
  バンジョーはもとはアフリカの民族楽器で、奴隷とともにアメリカへ渡って形を変え、ヨーロッパに行って流行したとのこと。
  日本へは160年前、黒船で現れたアメリカ人が船内でのお楽しみミンストレルショーのために持ってきたのが最初だそうです。
  バンジョーの普通の弾き方というのもいろんな曲で聴かせてくれました。
  大きな古時計~キャラバン~虹のかなた~じゃじゃ馬億万長者のテーマ~フォギーマウンテン・ブレイクダウン
  じゃじゃ馬億万長者⇒https://www.youtube.com/watch?v=YD22a4APsCg
  フォギーマウンテン・ブレークダウン参考音源⇒https://www.youtube.com/watch?v=yQIJuu3N5EY
  主旋律の部分は最初の一音だけで後ろに一杯装飾音をつけるんですね。
  装飾音とはいえ、無制限に音が選べるわけじゃなく和音形成とわざとカッコヨク外すなどの技が必要!
7. Django's Castle
  WWⅡ前後のヨーロッパジャズの香りですね。
8. ミッシェル
  Beatlesのアレ。稲川さんはBeatlesファンなんだって言ってました。
  バンジョーは120歳のに持ち替えです。
9. 真実のワルツ
  ミュゼット ご当人の演奏youtubeでご覧ください⇒https://www.youtube.com/watch?v=M3UdnvFdKZs
  でも、サロコンでは稲川さんはなぜかストロークで弾いてました。

前半が終了した時、お客様が楽器に群がりました!!
稲川さんが「触ってみてくださっていいですよ」とおっしゃたので。
さらにまた丁寧にお答えになっていて、CDも売れ、お二人休憩どころじゃない。



バンジョーって言う楽器がそもそもその辺で見かけるものじゃないし、アコーディオンも最早年寄りの記憶にしか残ってないからねぇ。
アコーディオンのプロの演奏ってのはせいぜい喉自慢番組の伴奏くらいしか聴いたことなかったし。
今回のサロコンにいらしたお客様たちは沢山の「」を感じていらしたと思います。
  
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2nd.set
1. Daisy Field

  この曲だけTakkoさんのピアノ演奏が聴けました。
  Takakoさんによると「人前での演奏は2度目」だそうな!
2. La Partida
  ベネズエラの曲ですが、三拍子でほとんどミュゼットですね。
3. Planxty Irvin
  新しい(とはいっても1970年代)のアイリッシュ。香りは100年以上前のものと同じです。
  アコーディオンを持ち替えて大きな方で演奏。
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4. Ave Maria
  シューベルトのアベマリアです。CDで聴いてびっくりしました。バンジョーの音がまったく自然に聴こえます。
  アコーディオンが荘厳に音を広げてくれます。
5. Sails
  アコーディオン持ち替え。音が塊になった感じで演奏。
  もともとジャズのチェット・アトキンスが作った曲ですが曲自体はまるで当時のフォークロックですから
  音は広がるよりかたまっている方が曲に合います。
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6. Washington Square
  お客さんの多くの方々が曲名「ワシントン広場の夜は更けて」と聞いた途端に「おお!」と
  小さく声を上げられたほど記憶に深く残る曲。自然にお客さんが手拍子!
7. ナポリのそよ風
8. Amazing Grace

  お二人によるアレンジですが、CDで聴いたときそれほど感じなかった、穏やかで暢気な明るさがライブではより強調されており
  本当に素敵な楽曲になってました。青空を見に旅に出たくなる、そんな感じの曲になっています。
  なんという粋な「アメイジング・グレイス」これは大好き!  
9. Libertango
  お二人はこの曲をサロコンで演奏した3組目。
  最初はこのとき⇒http://salocontama.hamazo.tv/e3866145.html 
  シルク・ド・ソレイユからポール・ラザーがちょっと来たときです。
  2組目はリコーダーで⇒http://salocontama.hamazo.tv/e4243693.html
  絶品リベルタンゴを各種取り揃えて聴けるサロコン!!

アンコール  Honey Suckle Rose
  これ、鈴木麻美さんがJazzdialogueではよく歌う曲。
  こちらはイントロとブリッジのところを5/4拍子という面白いアレンジ。
  でも本体は昔風スイングで聴かせてくれました。

演奏終了後は、CDがとっても売れたみたいで本当に良かった。
なにしろ、サロコンはギャラを出していないので、出演者さんがプロの場合、CDが売れることが大事なんです。

しかし、今回、こんなに素敵な演奏をする人たちを多くの人に紹介することができてうれしい!
これこそがサロコンの最大の目的でもあるのですよ。

稲川さん、Takkoさん ぜひまたご出演お願いいたします!

彼らへの演奏依頼はhttp://accobanjo.jimdo.com/%E6%BC%94%E5%A5%8F%E3%81%AE%E4%BE%9D%E9%A0%BC-%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E3%81%B8/
CDの購入はこちらからhttp://www.banjoaccordion.com/#!cd/c2414


・・・・・・・・・・・・・リハコーナー・・・・・・・・・・・・・・・
まずはリハーサルの画像から

お二人とも初めての会場。


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リハ時間そのものは短かったですよ。
常にお二人で演奏活動されてるので、気になるところの確認程度。
それより、相手の音の聴こえ方やこの部屋ならではの音質に相当神経が行ってました。
そういえば、一日前に「いつもと並びを変えよう」ということになり、
勝手が違うのに慣れないままで本番を迎えるというので緊張もされていたご様子。

1曲だけいれるピアノは案の定ピアノの生音が圧倒的に大きい。




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おばあちゃんピアノの音色は気に入っていただけたでしょうか?


ではいよいよ楽器のお話!

まずBanjo から。
持ち込まれたBanjoは3台。
後でPA川田に聞いたら
「バンジョーって何本も使い分ける楽器とは、つゆ知らず・・・」とのこと。
ワタクシもおんなじでございます。

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奥の左が御年120歳。奥の右がBanjoの老舗Gibson 手前に寝転んでるのがDesert Rose
それぞれのヘッド
120歳ウィンザーのヘッドには美しい飾り金具が!               こっちギブソン

これがデザートローズ
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よく見るとウインザーの弦が一本だけナイロン弦みたい。
では稲川さんに解説していただきましょう。以下青い太文字は稲川さんです。

通常は5弦とも金属弦か、数少ないですが全てガット弦(現在はナイロン弦)のものもあります。
ただウィンザーはナイロン弦が2本、金属弦が3本張られています。
理由ははっきりとは分からないのですが、いろんな資料を調べたらウィンザーはそれが正しい張り方だったとわかりました。
ウィンザー以外には私も聞いたことがありません。
でも実際に弾いてみると確かにその頃の響きがするんです。
ベース音が柔らかくて、カット音がシャープな感じの音です。


なんか今の楽器では見ない不思議な楽器ですわ、ウィンザー。
でも、その当時の「音の理想」を求めた結果なんでしょうね!

Windsor Zither Banjo;120年前(1895~1900に製作)のイギリス、ウィンザー製のチターバンジョー。
材質はハカランダ。
当時のフランスやイギリスはバンジョーが大変華やかな時代で、パリミュゼットでもこの楽器が活躍していました。
ちなみにジャンゴ・ラインハルトも元々はバンジョー弾きで、このタイプのバンジョーを使用していました。

Gibson Granada;バンジョーの本家本元ギブソン製の楽器です。材質はメープル。
明るくて軽快なサウンドです。やはりギブソンは素晴らしいです。

Desert Rose ;私がメインで使用しているバンジョーです。材質はマホガニー。
非常にバランスが良く大きな音がします。
Desert Roseは個人のバンジョー工房で、アメリカでも人気のあるバンジョーです。
(この会社のHP⇒http://www5f.biglobe.ne.jp/~desertrosebanjo/


120歳の楽器を造ったのは「家具メーカー」だったそうで、当時流行の楽器で恐らく家具屋の職人も
バンジョーが好きだったんでしょうね。
その120歳ウインザーのアップ。


そして美しいお尻!寄せ木細工みたい!

よく見ると5弦がどこから来るのか分からない。
謎はこの画像で解けました。
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なんかシタールの弦の通し方みたいだ・・・。
ではこの弦のヘッド側の入り口はどこでしょう?
ヘッド画像に写ってますよ~ よーく見てね!

デザートローズ社はフェンダーの技術屋さんが日本で作った会社。
会社創立の社長おん自ら作ってくれたバンジョーだそうですよ!
画像の右下を見るとジャックが付いてる。標準装備か聞いてみました。

ピックアップは後付けです。
バンジョーは基本的に生で演奏しますが、アコーディオンは生音が大きいのでバランスを取るのにピックアップとマイクで拾っています。


このバンジョーについては更にピックアップの音とマイクで拾った音をミックスしてアンプから出しておられました。

他の2台のバンジョーはピックアップなし。
外から拾っていたマイクは稲川さんご持参のSONY ビンテージもの。


そしてリバーブとグライコを通し、アンプで出す。


(マイクは)いろいろ使ってみたなかで一番私のイメージと今使っているアンプに合っていた感じです。
因みにアンプはシャトラー(ブランド名)のDavidというモデルです。
そのアンプにt.c.electronicのイコライザーとエフェクターをインサートしていました。


では、アコーディオン。

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右手前が「37鍵96ベース」 左奥が「41鍵120ベース」
VICTORIA製でHPは⇒http://www.accordions.it/
(この会社の日本総代理店は「トンボ楽器」だそうで、懐かしい名前!)

以下、ピンクの太文字はTakakoさんの解説です。

楽器のモデル名はどちらもVICTORIAでイタリア製です。
メインで使っているのは中型タイプでCapriccioというモデルです。
鍵盤が37鍵、96ベースです。
チャンバーという機能が付いていて音を共鳴させる部屋がついています。
チャンバーがついたスイッチを使うと上質で柔らかい音色になります。
大きさは少し小さめですが、音のパワーは断然こちらの楽器の方があります。

曲によって音色のスイッチを使い分けています。
どんなジャンルでも対応出来る楽器です。

今回クラシック(Ave Maria)とアイリッシュ(Planxy Irwin)の曲で使用した大きいタイプの楽器は41鍵で120ベース。
私が初めてアコーディオンを習い始めた時からの付き合いで、Superというモデルです。
とても明るい音色で特にミュゼットの曲などにはパリの香りがする音色で気に入ってますが、こちらの楽器ではミュゼットは演奏していません。なぜかというと、バンジョーが繊細でどちらかというと高音なので音色がかぶってしまうといけないのでミュゼットの曲の時は使用してません。

Ave Mariaの時の音色のスイッチはシングルトーンと言って一枚のリードのスイッチを使っています。
ベースと噛み合ったときのバランスがこちらの楽器の方がとても心地良く響きます。

Planxty Irwin では先ほどのミュゼットの時によく使われるMMというスイッチを使用しています。
同じ中間音のリードが二枚使われていますが、それぞれのピッチを微妙にずらすことによってビブラートがかかりあの独特な音色になります。
こちらの楽器の特徴としてとても明るく華やかな音色です。

この2曲はどちらもメロディーとベースがこちらのSuperの楽器の方でないとバランスが取れないのです。
Capricctioはベース音がとても歯切れが良く深みがあり過ぎるので落ち着いてまったりした曲ですと
ベース音が前に出過ぎるような気がします。
なのでシンプルさを強調したいときはこちらのSuperの方を使います。

中型の楽器にもこのMMという音色スイッチが付いてますが、チャンバーがかかっているため、ポ〜っというやわらかく甘い音がします。
ミュゼットの曲はこちらのリードを使用しています。


いやー 見事に曲と楽器の組み合わせを解説してくださいました。

そして演奏中に右手の指が不思議な動きをしていました。

鍵盤の側の親指の位置はそのまま、人差指が親指を飛び越えて上の鍵盤を押さえる、というものです。
一杯写真撮った中には残念ながらその瞬間はありませんでした。

右手の人差し指ですか!?

多分アコーディオンの運指だと思います。
私もあまり意識していないですが、鍵盤が縦方向なので弾きやすい運指に自然になってしまうのだと思います。


面白いなー!
初めて知ることが一杯って嬉しい~
takakoさん、稲川さん。細かいことをうるさく問い合わせたのに全部丁寧にお答えくださり、感謝です

そして今回PA川田が用意したマイクは
アコーディオンの左右の音出口にオーディオ・テクニカAE3000を各1。
ピアノにも低音高音にオーディオテクニカ AT4041を各1

バンジョーのアンプの音を拾ったのは、ビンテージのSHURESM57でした。


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